休。 | 19:35 |
「それはこっちのセリフです。」
僕は何度も呟いた。
誰にも聞こえないように。
周りになんて誰もいないのに。
誰もいなかったはずなのに…。
僕は息を殺して呟き続けた。
つい数分前だ。
僕は急に独りになりたくて、いてもたってもいられずに「ソコ」に閉じこもった。
僕は「ソコ」がお気に入りで、独りになりたい時は、だいたい「ソコ」に閉じこもる。
少し特徴的な「ソコ」は、入り口の横にある緑のボタンを押すと、誰も寄せ付けない雰囲気の漂う重そうな扉が、まるで障子を開ける様にようにいとも簡単に自動で開く。
そして中に入ると、これまた自動で電気が灯り、壁には入り口と同じように赤いボタンがついている。
そのボタンを押すと、あの頑丈な扉が再び顔を出し、外の世界と完全に隔離するようにその場にいる人をあっという間に飲み込んでしまうのだ。
物音一つ聞こえない「ソコ」は、あたかもこの地球上に自分以外の誰もおらず、もう2度とここから出られないのではと、少し恐怖にも似たような感覚を覚えてしまうほどだ。
しかし、その恐怖とは裏腹に、「ソコ」にはある種の開放感似た絶対的な「安らぎ」がある。
スポーツ選手が好んで使っていると言われる、「酸素カプセル」を僕は体験したことが無いが、きっとこんな感覚なんだと思う。
少し大袈裟に言えば「天国」ってこんな感じなんだとも思うのだ。
僕は日常とかけ離れた「ソコ」で今日も静かに腰を下ろし、少しばかりの「マインドトリップ」を楽しんでいた。
「昨日食べた焼き鳥は最高だった」
「もうすぐ正月だな〜。オヤジは元気でやってるだろうか。」
「そういえば、オフクロはまだシャンプーハットの小出水が好きなのだろうか。」
などの、たわいも無いことや、お正月には帰省する遠くの故郷を想い、つかの間の「ソコ」での時間を堪能していたのだ。
「ガチャ!ガチャ!」
大きなその音で僕はいきなり「天国」から現実に引き戻された。
僕は顔を上げ音のする方向に目を向けた。
重そうな扉が揺れている。
「重〜い!この扉!」
若い女性の声で確かにそう聞こえた。
無理なのだよ。
下界の諸君。
「天国」へは1人づつしか行けないのだよ。
そして、その重い扉は僕のことを守ってくれている。
槍でも鉄砲でも開くわけがないさ、ベイベ〜。
僕は「ちびまる子ちゃん」のハナワ君のように苦笑した。
そして再び、
「中学生の頃にフラれたあの娘はもう結婚してるだろうか。」
「けどあの娘も、もういい年だよな。きっとデブになってるよな〜。」
などと、都合の良い妄想旅行に繰り出そうとした、その時だった。
「ホント重〜い!」
さっきより明らかに大きく、そして近づいたその声のする方向に目をやると信じられないことが起きていた。
あの重そうな扉が少し開いている。
そしてその隙間からは、109で買ったと思われるギャル系ショップの袋が半分だけ「ソコ」の中に入ってきているではないか。
まさか!嘘だろ!「ソコ」の扉は絶対開かないはずなのに!!
などと、考えている時間の余裕は僕にはもう与えられていなかった。
「あ〜、重い扉!」
どんどん開いていく扉から、若い女性がそう呟きながら「ソコ」に入ってきた。
僕にはもうどうすることもできなかった。
ただ身を委ねるしかなかった。
本当の恐怖に出会った時の人間なんてこんなものなのだ。
若い女性は「ソコ」にいるはずも無い僕の存在に気づき、
「なんでいるの〜!」
と言い放った。
それは僕への質問なのかい?
どこの高校の入試問題だい?
僕は君の先生ではないよ。
僕はその質問には答えない。
絶対に答えたくない。
なぜなら、
「それはこっちのセリフ」
だからだ。
下半身丸出しの僕と目が合ったその若い女性は、丸々と太り、髪の毛は茶色く、ギャルメイクと言われる化粧は死ぬほど濃かった。
中学校の時にフラれたあの娘もこんな風に太っているのだろうか?
年をとっても派手な化粧で街にでているのだろうか?
そんなことが一瞬、頭をよぎり、早く故郷に帰りたくなった。
若い女性が立ち去った後、僕は泣いた。
僕にとって「天国」だった「ソコ」は、「ちょっと力を入れて引けば開いてしまう程の自動ロックしかできない、ただの駐車場のトイレ」だった。
※ コレがついた「天国」には気をつけなはれや!
というわけで、来年はよく鍵のかかる一年でありますように。
そんなわけで、今年を象徴する1曲。
Directed by SPIKE LEE !!!
流石。良い色です。
Michael Jackson - This Is It - Directed by Spike Lee from 40 Acres and a Mule Filmworks on Vimeo.
それでは皆様、良いお年を。
MANHATTAN CLOSET
待。 | 22:30 |
志。 | 18:54 |
良い世の中です。
THE ROOTS の無料配信アルバムがリリースです。
どんどん進化&深化してます。
この人達。
時代に媚びず自分達の好きことを追求してます。
コレを聴いちゃうと来年2月予定のNEWアルバムと、同じく2月の来日公演も益々楽しみです。
コチラから。
自分達の好きなことをやり抜く姿勢といえば、昨日のM-1グランプリでの「笑い飯」。
一夜明け、既に「伝説」になっている1本目からの、決勝での2本目のネタは、昔からよくやってるネタでした。
最後の最後で自分達の好きなネタ(例え下ネタでも)で勝負する姿勢がカッコ良かったです。
「東京ダイナマイト」にも同じ臭いを感じました。
この二組は良い意味で「不良」です。
「笑い飯」の生き方は見習いたいところです。
しかし今田耕治はMCが上手い。
審査員、芸人さん、客席の全てに気を遣いながらの生放送をあれだけ仕切れる人はホント凄いです。
そして、お隣の上戸彩は私と「笑いのツボ」が違うのが分ってしまい、
「付き合ったら結構難しいかもな〜。」
という勝手な妄想を膨らませながら、録画したM-1を見直そうと思う今夜です。
上戸彩もこのところ進化&深化しておりますのでご注意を。
MANHATTAN CLOSET
時 | 15:21 |
真。 | 21:00 |
眼。 | 20:24 |
昨日からの Premier 繋がりではありませんが、98年リリースのこちら。
「懐かしい!」
と、思われる方もいらっしゃいますよね。
私も持ってます。
CDのケースだけ...。
と言うのも、先日の引越しの時に久しぶりに見つけて、1人で興奮。
久しぶりに聴いてみようと思い、ケースを空けるものの、まさかの「空」…。
性的には「M」ですが、この件に関してはスパンキングよろしく、ケースを壁に投げつけました。
さらには、残すところ今年もあとわずかですが、間違いなく今年一番の大声で、
「なんで〜〜〜やねん!!」
と、叫びました。
溜めて叫びました。
まだ無名だったアーティストがこのMIX CDから大きく巣立っていきました。
さすがの Premier先生の選美眼。
なぜこんな話をと言いますと、ふらっと寄ったレコード屋でMIXの2LPが出てました。
今年一番の小声で「なんでやねん!!」と叫びました。
小心者なので店員さんに聞こえないように。
「この時代に良いとこ突くな〜」と。
ブートっぽかったですが。
確か当時は3LPだったような…。
凄いタイミングでしたが、MIX物はCDで聴きたい派なので、手が出ませんでした。
そんな中、家に帰ってパソコンで検索しました。
CDを買い直す為に。
そうしたら見つかりましたよ!
無料でダウンロード場所が!(島田紳助 風)
いや〜、凄い世の中です。
レコードを扱う会社で働いている私としては複雑ですが…。
そして、こいうのをブログに載せるのも微妙な感じですが…。
ここは思い切って。
彩ちゃん、ゴメンナサイ。
当時のアンダーグランドのNYCの空気が出てます。
このところの90´s HIPHOP再燃から、最近は90´sのアンダーグランドHIPHOPのMIX物とか良く見かけるようになりました。
世間的にも良いタイミングです。
聴いてない方は是非!
コチラです。
track list
Intro
J-Live – Braggin’ Writes
Brainwash – Break It Down
Laster Feat. Ed O.G. – Off Balance
G-Depp – Head Over Wheels
Skit
Natural Elements – Lyrical Tactics
Company Flow – 8 Steps To Perfection
Shades Of Brooklyn – Change
L The Head Toucha – Too Complex
Intro
Street Smartz – Metal Thangz
Rezidue – Inner City Blues
Godfather Don – Properties Of Steel
Brainsick Mob – Mixmaster
Choclair – 21 Years
Outro
Finsta Bundy – Feel The High Part. 2
MANHATTAN CLOSET
圧。 | 19:32 |
日。 | 18:26 |
ビデオより良いし、なんだかタイトルが好きです。
こちらも、MADE IN JAPAN。
Comme des Garcons Junya Watanabe eYe x Carhartt Blazer
わかってるブランドの、マジメなわかってらっしゃるプロダクト。
流石です。
欲しくは無いけど、他のも見てみたい。
最近流行の「DICKIES」や「BEN DAVIS」のコレ系にはお腹いっぱいどころか、やれば良いってもんじゃない的なのが多く飽き飽きしていたところなもので。
「男は黙ってオリジナル。」
レコードも洋服も生き方も。
彩ちゃんも言ってました(嘘)。
MANHATTAN CLOSET
雨。 | 12:58 |
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